2015年11月27日金曜日

蜀碧・嘉定屠城紀略・揚州十日記  (東洋文庫 (36))




蜀碧・嘉定屠城紀略・揚州十日記  (東洋文庫 (36))



彭 遵泗 (著)    王 秀楚 (著),  
 朱 子素 (著), 松枝 茂夫 (翻訳)   



ISBN-10: 458280036X

ISBN-13: 978-4582800364


発売日: 1965/02


異民族の殺戮はなんともはやすさまじいであることか!

じゃあ、同胞なら殺さないか?


最初大学の漢文の参考資料として読んだ。何と犠牲者が80万人!「揚州十日記」と「嘉定屠城紀略」は中国を征服した清軍が漢民族を虐殺した記録で、清朝では保持だけで死罪となる禁書であった。日本に秘かに持ち込まれ純正漢文なのでよく読まれた。江戸末期に「異民族支配とはこのように過酷ですさまじいものなのか」と認識し、倒幕から明治維新まで列強の介入を防ぐ方向に繋がったらしい。また明治に入り、孫文ら清国から来た中国人留学生は、中国での禁書のこれらの本を読み、清朝による漢人殺戮に大変ショックを受け、滅満興漢運動、続いて辛亥革命を起こしたと言われている。ただ虐殺史から見ると、1位毛沢東6000万人(8000万人~1億人)、2位スターリン4000万人、3位ヒトラー3000万人(600万)、と言われており、毛沢東による殺戮を扱った「毛沢東の文革大虐殺」宋永毅 編集原著 原書房や「中国大虐殺史」 石平著 ビジネス社、の方が同じ民族を虐殺すると言う事で一層生々しい。東南アジア、アフリカに長期に滞在していた頃は、ポルポトやアミンは歴史に残酷な殺戮者とばかり思っていたが、中国の偉大な指導者毛沢東の前には小物であることが分かった。異民族虐殺の清国と同胞虐殺の中華人民共和国を比較しながら、一緒に読まれることをお勧めする。文化、時代および殺戮について考えさせてくれる良書である。












                                                                        

 
                 
                                                                  







 





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